人手不足が加速する昨今、飲食業界でも悲鳴が上がっています。
飲食業界では、「本当にろくな人が来ない」、「店には従業員用の防犯カメラを付けておいた方が良いよ」などという経営者の生の声をよく聞きます。
従業員の募集方法としては、①知人からの紹介、②ハローワーク、③求人情報誌その他求人広告、④自社ホームページ、⑤フェイスブック等のSNS、⑥大学などの掲示板、⑦調理師専門学校などからの紹介や推薦、などが想定されるところです。
例えば、塚田農場さんでは、学生向けの就職説明会を丁寧に充実して行っていたり、近時急伸しているいきなりステーキさんでは、なかなか素人ではうまくステーキを焼けないために退職者を積極的に雇用するなど、各企業がこの人手不足の中で創意工夫を凝らしており、参考になります。セブンイレブンさんでは、SEO対策を強化し、地域と職種を入力して検索した場合に、自社の募集広告を掲載したホームページが上位で表示されるようにし、また、採用応募の連絡を拾い上げて機会喪失を防ぐため、専用のコールセンターを設けて応募から採用面接までのリードタイムの短縮を図る等の工夫をしているようです。
一つの募集方法に頼るだけでなく、各広告媒体から自社ホームページにリンクさせて、ホームページには、楽しく働く笑顔あふれるスタッフの顔や声、そのスタッフを思う経営者の写真や声をきちんと載せた採用専門のページを設けておくなどの工夫をすれば、応募者は飛躍的に増加するのではないかと思います。
募集に当たり、応募者は、給料の額等の雇用条件はもちろん、採用後の就労実態がどのようなものであるかを気にします。残業ばかりで疲弊するだけの楽しくない職場に応募はしたくないでしょうし、そのような職場に就職しても、すぐに退職してしまって、結局また募集のやり直しという悪循環に陥っては、損失が増大するばかりです。
魅力ある職場環境の紹介とセットにした採用募集が重要なのであり、そのためには、後述の「第3 飲食店における労務管理」で述べる業務の効率化は必須です。