従業員の募集に当たっては、採用面接がとても重要です。
人を1人採用した場合のコストは、例えば年額300万円であるとして、10年間で3000万円にも膨れ上がります。

募集をするにもコストと時間を当然ながら要するわけですが、一度従業員を採用したら、現状の法制度では、どんなに出来が悪く、態度も悪かったとしても、容易に解雇はできないことになっています。

上記のような多額の人件費分の損失を被ることを考えるならば、優秀な従業員を採用するためには、どんなに費用を掛けたとしても、掛け過ぎたということには決してならないはずです。

人手不足の昨今、従業員の募集活動は、イコール営業活動のようなものであり、応募者に対する懇切丁寧な迅速なおもてなし対応が必要とされています。

そうはいっても、面接においては、職業意識の高い優秀者な従業員を見極めなければなりませんので、「この店に入って何をしたい」「どんな点に気を付けようと思っているか」などという将来の願望を聞くのではなく、例えば顧客トラブルの場面や、繁忙時の場面など他者に対する気遣いが試される場面など、現実的に起こり得る実務的場面を想定した上で、「こういった場合、あなたならばどういう対応を採ってきたか」「どういうことを考えてきたか」などという、過去の実体験を質問することが効果的です。

将来の願望など、いくらでも嘘を付けるような抽象的な質問に対しては、怖い話ですが、こう答えるべきだという就職説明塾のようなものもあるらしく、万全のできすぎた回答が予習されていることも多く、かえって判断を誤ることが多いです。

また、面接対象者に逆に質問をしてみることも効果的です。お金に関する質問ばかりで、仕事の中身に関心が向いていない方は、きつい仕事に遭遇し他場合にはすぐに辞めてしまうリスクが高いと思っておいた方が良いでしょう。

採用を決めたならば、すぐに雇用契約を締結して仕事には入れるように迅速に手続きを進め、もたもたしている間に他に就職してしまうようなことがないように十分に留意すべきです。