飲食店再生へのつのポイント

お客様に満足してもらう

次の来店は満足度によって決まります

1顧客満足度の向上

お店の経営が順調でないとすれば、原因は、外にあるのではなく内にあります。どんな不況下でも、繁盛店は繁盛しています。

  • こだわりや料理が自己満足になっていませんか?
  • 店の敷居が高すぎませんか?
  • 客層のニーズと提供物の質や価格がマッチしていますか?
  • 常連客だけに満足し、新規客獲得と定着化の工夫が疎かになってませんか?

2接客サービス(接遇)

無数の飲食店が競合する今や、料理や酒だけで客は満足しなくなっており、「予想できないサービス」を提供して客に感動を与え、付加価値を生み出して差別化することが重要になってきています。

特に、豊富な食材とサービスに無頓着な客に恵まれた北海道は、飲食店の接客レベルは、全国最低レベルであるということを、まず知る必要があります。北海道の飲食店でよくある、食器を客に移動させたり、客が来店したのに無視する、いつまでも注文に訪れない、食器をいつまでも下げない、呼ばないと来ない。こんなことは、サービス業である飲食店においてあってはならないことであり、許容されている北海道の飲食風土は、異常であるということをまず理解しておく必要があります。

接客サービスにおいて重要なのは、まず、基本の動作と言葉使いです。これらを満たす、接客マニュアルを作り、周知徹底・訓練をしましょう。

  • 動作のポイント

    • いつも笑顔を絶やさないこと
    • 背筋を伸ばし、正しいお辞儀をすること
    • きびきびと軽快な動きをすること
  • 言葉遣いのポイント

    • 基本の敬語・丁寧語をマスターすること
    • 敬語・丁寧語の基本をマスターした上で、相手やシチュエーションに応じた臨機応変な言葉使いができること
    • 言葉の響き(音調・語調・イントネーション)や話すスピードが相手に不快感を与えないようにすること

サービスは、形を教えるものではなく、客がどうしたら喜んでもらえるのかという強い思いを教えることです。サービス業は、客のニーズに応える愛と奉仕が必要です。

3従業員教育

以下のステップでの教育が必要となります。助成金をうまく活用しながら、収入を補填しつつ、十分な教育訓練を実施しましょう。

  • 心構え(マインド)
  • 仕事内容を正確に丁寧に説明する
  • 実地訓練(ОJT)
  • 反復指導を重ねる

4より顧客満足度を上げる接遇の工夫

好印象な接遇のためには、下記の各場面において、客に気を配り、思いやりと感謝の気持ちを言葉に込め、言われずとも常にフォローし、最後まで見届けることが大切です。

  1. 店に入った時の第一印象が決定的に重要です。

    来店時には、素早く、気持ち良い対応を心がけましょう。予約客の名前を覚えておくのは当然です。団体客の場合には、幹事を立てましょう。

  2. オーダーリング(注文受付)

    来店後は終始その動向に気を配り、オーダーのタイミングで呼ばれずとも素早く駆け付け、押し売りはせず、客の自尊心を傷付けることやオーダーミスをすることなく、注文確認を正しく行います。

  3. 追加オーダーへの気配り

    絶えずテーブルから目を離さず、追加オーダーのタイミングを逃さず、呼ばれる前にその気配を読み取って自ら駆け付けましょう。下げ物や取り皿の交換、ドリンクや水のおかわりにも常に気を配りましょう。

  4. 会計時の対応

    失敗があっても、会計時が挽回のチャンスです。できるだけ待たせないように正確に早く会計を済ませます。この時に「お忘れ物はございませんか?」と気遣いも忘れません。

  5. 退店時の見送り

    「お気をつけてお帰りください」と、感謝と気遣いの言葉を丁寧にかけ、お客が見えなくなるまで見送りましょう。

5クレーム対応方法

まず、最低限の対応ができるよう、クレーム対応マニュアルの整備と周知・ 訓練が必要です。

但し、マニュアルには限界があり、クレーム対応の現場では、客の意図を適切に把握し、その意図にフィットさせて事態の収拾を図る柔軟な対応能力が問われます。

客の意図とは、下記のとおりである。

  • まず謝ってほしい
  • 原因や理由を説明してほしい
  • 対応策を明示してほしい
  • 自分の問題を解決してほしい
  • 苦言を言わせてほしい

「感謝」の気持ちと「謝罪、共感」の気持ちを声に出して伝える

このようなイメージで、謙虚な気持ちで、こちらの主張を決して理解させようとせず、クレーム内容を十分に最後まで聞き取り寄り添うことが、クレームを終了させるためのコツです。

6クレンリネスの重要性

清掃マニュアルの整備と周知・訓練が必要です。

  • トイレは常に清潔に保つ
  • テーブルや床に汚れがないか
  • グラスや食器に手あかや水垢、洗い残しや欠けているものがないか
  • 客の視界に入るエリアの整理整頓がなされているか
  • 窓ガラスが綺麗に磨き上げられているか
  • 衛生面はきちんと保たれているか
  • スタッフの服装・靴・指の爪・髪の毛などの清潔感が保たれているか

7新規顧客の開拓と固定客化の工夫

  • 新規顧客開拓
  • 初回来店客
  • 再来店客を掴む(そのための各種工夫を凝らず)
  • 固定客・常連客(常連客の優遇かつ新規顧客へ不快感を与えない工夫)
  • 来店頻度を高める

リピーターの獲得は売上安定化の最重要事項であり、スタッフと客とのコミュニケーションが大切です。客の名前と好みを覚え、客に特別扱い感を感じてもらえるかどうかが鍵です。

次のような特別扱いの工夫により、再来店客を掴み、常連客化の工夫をすることが重要です。

  • 割引還元率を一般客より多くする
  • ポイント還元率を一般客より多くする
  • 常連客を対象にDMを送付する

メニュー内容の改善

オリジナルのメニューの工夫で他店と差別化し売上アップへ!

1メニュー作りの工夫

人間の五感にいかに訴えられるメニューを作れるか、また、オリジナル性を出せるかが大切です。

メニューのレシピを作成し、シェフによって味が大きくぶれないよう平準化を保つ観点も重要です。

オリジナル料理のみに必ずしもこだわる必要はなく、現在、加工食品も手料理以上に相当に品質の高いものが出ていますので、ソースをアレンジするなどしての活用も有用です。試作と試食は、必須でしょう。

2価格設定の留意点

商品価格の設定は、原価から計算して決める(原価主義)のではなく、付加価値を付けて「顧客がいくらだったら満足するか」という観点から決めるものです。

付加価値の付け方や人気度によって原価率は各商品で全く異なってきますので、平均原価率という考え方には何の意味もなく、素人や飲食ビジネスに対する正しい理解のない税理士さんや会計士さんから誤った指導がなされる場合がありますので、まず出発点を間違えないことが大変重要です。

3メニュー構成の見直し(ABC分析)

現状のメニューの見直しには、たくさんの管理対象商品の中から重点的に管理すべきものを探し出す計数手法であるABC分析の実施が効果的です。ABC分析では

  1. 売れていて儲かる商品
  2. 売れているがあまり儲からない商品
  3. あまり売れていないが設けの大きい商品
  4. 売れも儲かりもしない商品

の4分類をして、④売れも儲かりもしない商品を発見してメニューから外し、①の売れ筋商品を強化します。

ABC分析には、次の3つの種類があり、特に売上高ABC分析が大切です。

  • 出食数ABC分析
  • 売上高ABC分析
  • 粗利益高ABC分析

4仕入れ計画の留意点

鮮度の確保、ロスの防止のため、在庫管理は重要であり

発注量=書く材料の標準在庫 - 現在庫量

の適正発注を心がけ、品切れを起こさせず、過剰在庫を防ぎ、材料の品質確保を常に心がけましょう。

生鮮品や高価品は毎日、その余は1カ月に1回棚卸を実施し、在庫確認をしましょう。持ち出し等の不正予防としても重要です。

5メニュー改善の着眼点

客の興味を惹くには、五感に訴えるという着眼点が重要です。

  1. 視覚への訴え

    盛り付けや材料の色、食器の工夫、巨大ないしミニ料理などの工夫です。

  2. 聴覚に訴える

    肉を焼くジュージュー音などです。

  3. 味覚に訴える

    材料、調味料や調理方法の工夫です。

  4. 嗅覚に訴える

    焼き鳥やウナギの焼ける香ばしい匂いなどの工夫です。

  5. 触覚

    手巻き寿司やスペアリブなどで触らせるなど、提供方法の工夫です。

6オリジナル商品の開発

客は、他店では食べることのできないものを食べに、競合店ではなく、自店に来るのです。その付加価値を、商品価値に反映させることが重要です。

オリジナル商品の価格 = 原価 + 付加価値

商品開発は、顧客満足度を維持できる価格の範囲内で、最大の付加価値を付けることを目標に行う。

オリジナル商品を開発するには、具体的には、以下の検討手順で、工夫・研究すると良いです。

  • 盛り付け方法を工夫する
  • 調味料やスパイス類の添加・配合を変えてみる
  • 食材の組み合わせを工夫研究する
  • 調理法やその組み合わせを変えてみる
  • 独自の食材を使用して驚きを与える

「産地直送」「日本一」「採れたて」「元祖」「無添加」「手作り」「最高級」「幻の」等の印象が際立つキャッチコピーをオリジナル商品に付けてあげることも、差別化の一方法として重要です。

ヒットメニューの開発のために必要な視点は次のとおりです。

  1. 既成概念にとらわれず、オリジナリティあふれるアイディアを出すこと
  2. 調理・提供方法に個性があり、こだわり・差別化を試みていること
  3. 流行に流されずにいかに個性を発揮できるか
  4. オンリーワンと言える商品内容であること
  5. 日本人は食に対して保守的であるため、余りに突飛なものは受け入れられにくい。身近な食材や料理をアレンジするところから始めると良い

7メニュー表の重要性

メニュー表作成のポイントは以下のとおりです。

  • テーブルサイズとのバランスを保つ
  • ボードタイプのメニュー表は、文字の大きさや見やすさ重視
  • ブックタイプのメニュー表は、目次や索引を付けて見やすく
  • 料理は、ジャンル分け、単品・セットメニューなどのグループ分けを意識する
  • 写真やイラストを使って安心感や期待感を高め、選択速度を上げる
  • 売りたい商品を目立たせる工夫
  • 客様の目線と動きを考慮した写真配置
  • 業態に見合った質感(デザイン、色、材質、厚さ等)を意識する

経営状況を見直す

原価や人件費など経営の視点で分析を行うのが再生の鍵です

1現状の客観分析

以下の内容について店舗チェックを実施しましょう。

  • 店舗及び外観
  • スタッフの就業状況
  • 商品管理
  • 店舗管理

ドリンク無料券等の特典を与えるなどして匿名のアンケート箱へのアンケート投函をお願いしたり、食事代を無料にしてモニターを数名採用し、覆面調査を依頼するなどの工夫も考えられます。

あるいは、当法人において、店舗の健全度診断を実施し、改善点の洗い出しをすることも可能です。

2他店舗視察

他店の商品個性、価格設定、サービス内容、雰囲気作り等を学び、謙虚に学ぶ姿勢をもって、以下の修正を試みることが自店の再生にとって大変重要です。

  • 競合店の実力を知り、対策を立てる
  • 自店の問題解決の糸口を探す
  • 業界全体のトレンドなどを知ることで、自店の軌道修正に生かす

3原価の考え方

原価(経費)には、固定費と変動費があります。

固定費とは、①地代家賃、②減価償却費、③支払金利、④人件費(社員の基本給)などがあり、①~③を初期条件と言います。

変動費とは、①材料費、②諸経費(水道光熱費、消耗品費、事務用品費、修繕費、広告宣伝・販売促進費、その他)、③アルバイト・パートの人件費などです。

上記の初期条件は売上の20%以内、材料費及び人件費は売上の60%以内にコントロールする必要があります。

4利益を挙げる

目標利益を明確に設定し、売上を伸ばすとともに、人件費をコントロールすることが重要です。

社員の残業を発生させて残業代によるコスト増を防ぐため、アルバイト・パートを増やして残業を削減したり仕込み時間を短縮したり、あるいは厨房機器の導入によって時短が実現できるならば、必要な投資は惜しむべきでない場面も出てくる場合があります。

5損益計算書の重要性

経営の1年間の成績表である損益計算書の数字は、飲食店経営の計数管理の基本です。損益計算書の、①売上高、②材料費、③粗利益高、④人件費、⑤諸経費、⑥初期条件、⑦経常利益を見て、経営判断が可能です。

②の材料費と④の人件費の合計をF/Lコストと言いますが、F/Lコストは、売上高の55~60%以内に抑えることが理想です。

⑤の諸経費は、売上高の12~14%が基準となります。

もし、これらの数値と実績とに乖離がある場合には、原価率の見直しや人件費削減等のテコ入れの検討が必要になります。

6人件費のコントロール方法

材料費と人件費の合計をできれば売上高の55~60%以内に抑えたいところです。高級和食店などの高級食材を取り扱う店では人件費を低廉に抑える必要がある反面、バーのように材料費を少なく済ませられる店であれば人件費をかけて良い人材を募集することも可能になります。

一人当たりの粗利益高(=付加価値性)である労働生産性を強く意識することが重要です。

労働生産性 = 月間粗利益高 ÷ スタッフ数

労働生産性を上げるためには

  • 売上高を上げる
  • 粗利益高を上げる
  • スタッフ数を減らす
  • 省人力機器の導入

などの工夫が必要です。

7イベントによる集客

客に常にフレッシュな楽しさ、レジャー性を提供し続ける不断の努力が必要です。

四季やひな祭り、クリスマス、バレンタインデーなどの年間行事に合わせたイベントを工夫し、季節感を打ち出す特別メニュー提供などにより客を楽しませましょう。酒屋などの粗品の無償提供を受けるなどしてのプレゼント企画実施なども有効です。

8複数店舗化の視点

一店舗目の余剰資金を使って、多店舗展開することで、仕入れを効率化し、多品目展開することでのリスクヘッジをすることが可能になります。
近場で展開することで、目くばせも可能ですし、人員や食材も回すことができます。
フランチャイズ展開することで、平準化したサービスを効率よく提供・展開することも可能になります。

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