(本人からの請求段階)

寿司店の店長です。辞めた従業員から残業代の請求がありました。
寿司店なので、開店前の仕入れや仕込みの時間が結構掛かってしまうため、固定残業代として月30時間分の残業代を最初から基本給に上乗せして払っているのですが、何故か、支払い済みの固定残業代を全く控除せず、しかも、この分を基本給に上乗せして1.25倍の金額を未払残業代として請求してきています。
そんな馬鹿な話はないだろうと思いますが、これはどういうことなのでしょうか?
現在の裁判所の運用では、固定残業代が何時間分の残業に相当するのかを労働者に予め明示し、かつ、固定残業代でカウントしている超過労働時間と実際の超過労働時間とを毎月比較検討して、後者が前者を上回っている場合には、毎月その超過部分を現実に支払って精算していない限り、支払ったつもりの固定残業代を残業代としてすら認めず、基本給としてカウントし、これに1.25倍を乗じるという、使用者からするとおよそ納得のいかないであろう運用が定着しています。

この場合、かえって固定残業代などと言って支払いをしていなかった方が良かったということになってしまうので、固定残業代制度を導入する時には、注意が必要です。