食事については、どの客層にもある程度の共通項があるのでイメージしやすいところはありますが、お酒については、興味のない方と、大好きで 様々お酒を味わってきた方との間には著しい認識の乖離があり、このことをまず正しく認識しておかないと、お酒好きからは相手にされないお店になってしまいます。

料理で勝負するというコンセプトのお店であれば良いのですが、そうではなく、夢の雫のようにお酒の中身で勝負しようという場合には、ある程度きちんとお酒の勉強をして、正しく注ぎ、ある程度のことは説明できるようにしておかないとなりません。

夢の雫には、日本酒に精通した利酒師の公認会計士さんがおり、私もワインと焼酎はそれなりに飲んできた自負があるため、何とかやりくりをしておりますが、それでもやはり、飲み会をやっているわけではなく、ご料金をお客様からいただく酒類提供者としてお仕事を提供させていただくわけですので、きちんと一通りの勉強をしなければならないと思い、利き酒師とワインアドバイザーの資格取得のための勉強をしています。

酒の中身についてはもちろんのこと、酒の歴史や食や行事等に関する一通りの知識を取り入れ、保存や提供方法、接客やメニュー説明等についてもプロとしての一通りの勉強をすることになります。

いずれの受験も、5万円ちょっとの料金で教材購入を含めて可能になります。教材だけであれば安く購入できるのではないかと思いますので、お酒にこだわるお店にするならば、せめてこのくらいは、プロとして、勉強しておくべきではないかと思います。

お酒の価格設定については、ワインは、グラス提供でない限りは、きちんとワインセラーに保存しておく限りは、熟成して価値が上がることはあっても下がることはありませんので、ロスを考えずに済みますので、仕入原価に希望の利益額を加えてあげることでの価格設定で十分です。

夢の雫では、例えば仕入原価が2000円程度の安価なワインであれば、5割程度の利益を加えた3000円程度の価格で提供していますが、仕入価格が5万円もする高価なワインであれば、1割~2割程度の利益を上乗せするに留め、5万5000円~5万8000円程度で提供することにしています。高級フレンチレストランでは、10万円程度で提供するのがむしろ通常だと思いますが、店のコンセプトが、「希少種を含む美味しいお酒を格安で飲む」というところにも定めていることから、当店ではこのような価格設定をしているというだけのことで、ここは店のコンセプトに応じて様々な考えがあってよいと思います。